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「酒とタバコと男と女」コラム

ひとり晩酌”で家計好転!

第2+第5研究部会 松本壮平

 学生時代から“ひとり晩酌”が好きだった。夜、家でひとりコッソリ飲むのである(キッチンドリンカーではない!)。そのことを友人知人に話すと「なんて寂しいヤツだ!」という言葉が返ってくる。ひとり晩酌はそんなに寂しいものか?私はそうは思わない。一人暮らしの自分の家で、チビチビやっているときの私は全く寂しくない。この上なく楽しい。そもそも酒は複数人で飲むものと決まっているわけではない。“宴会”だの“飲み会”だのといったものならば、それは複数人で行うものであろう。しかし“晩酌”という言葉から、私はそれらと同じニュアンスを感じることはできない。“晩酌”とは、一日の終わりにその日の出来事を反芻しつつ、自分自身を労い、疲れを癒すものだと理解している。
 晩酌で飲むのは大抵、ビールか焼酎(稀に酎ハイ)である。日本酒やウイスキー、ワインなどはまず飲まない。それは晩酌が風呂上がりに決行されることが多いという現実的な理由がまず第一。日本酒やワインは特別なめでたいケースにとっておきたいという極めて庶民的発想から滅多に口にはしない。ウイスキーは場末の汚いスナックで、それこそ汚いババア相手にカラオケでもやりながら、水割りで飲むのが似合う酒だという私個人の勝手な決め付けがあり、日常的には敬遠している。
 さて次は晩酌のつまみについて。最適なつまみとは何であろうか。さきいか?サラミ?キムチ?枝豆?私はそのいずれも求めない。つまみが口に入れるものと決まっているわけではない。私にとって最高のつまみはテレビだ。特に夜11時以降に放送されるニュース番組は“美味”である。一日の出来事を反芻するにはもってこいの“つまみ”だ。世の中でその日起きた事件・事故のニュースが読み上げられる時、大抵「今日●時ごろ…」と前置きされる。その時、自分はどこにいて何をしていたか、素早く思い出すのだ。どこそこの高速道路で玉突き事故があっただの、誰それの家に強盗が押し入り現金いくら奪って逃走しただの、まさにその時の自分の行動を頭の中で確認してみる。おぞましい事件や事故のニュースに接することは、私自身が一日を無事に過ごせた証である。そのありがたさを噛みしめると、さきいかの何倍もの“うまさ”が五臓六腑にしみわたる。「今日も一日頑張れたなぁ…」と無駄に時間を費やすことなく過ごせたことに感謝することも忘れない。
 “うまい”つまみはニュースだけではない。深夜のバラエティ番組はこれまた絶品である。夜11時ころから午前1時くらいまでにやっているバラエティ番組は率直に言って「しょうもない」ものが大半である。あまり売れていないタレントやお笑い芸人が出てきて、トークやコントやゲームっぽいことをやるものが多い。あまりに「しょうもない」ので、就寝前には最適なのだ。こちらのテンションが思い切り上がってしまうものや、番組に没入してしまうものはこの時間帯には向かないのである。それに日中は職場で仕事をしているため、頭の中がクソ真面目なことで汚染されてしまっている。寝るときくらいはこれをサッパリ洗い流したい。そのためにも「しょうもない」バラエティ番組はぜひ“つまみ”にしたいのだ。
 チビチビやりつつ「しょうもない」番組を見ていると、いい具合に睡魔が襲ってくる。歯磨きする程度のパワーが残っているうちに“ひとり晩酌”はお開き。胃袋に入るつまみは皆無の状態で飲み続けていたため、酔いがまわるのが早い。ひとりでテレビをつまみに飲むのは安価でいいもんだ。“ひとり晩酌”=“省エネ晩酌”といったところか。こりゃ毎晩、やめらんねぇわけだ!安く飲めれば家計は助かる。物価高の昨今、家庭でのひとり晩酌はオススメである。“飲み控え”“飲み渋り”に走るより、まずは“ひとり晩酌”を!コンビニで「ひとり晩酌セット」なる商品を発売し、テレビでもケーブルテレビあたりで「おつまみワイドショー」なんて番組をオンエアしてみたら、随分世相も変わってくるだろう。“ひとり晩酌”人口増加も夢ではない。しかし飲食産業は打撃を受けるだろうな(笑)。

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